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仕事が忙しかったり・・・
仕事が一段落したり・・・ 厭なことがあったり・・・ 「生きるのに疲れた」時には、 酒に強くないワタシとて飲みに行く。 酒はひとり酒と決めている。 でも、昨日飲みに行ったのには、別の訳がある。 先月、例によって ”BAR の飛びこみ” をやった。 北新地の、繁華街にありがちな雑居ビルの3F。 豪華なエントランスの奥に、ほんの数人しか乗れないエレベータがあり、 3Fに降り立つと人気(ひとけ)が無い。 店の重厚なドアを開くと、やはり木製の1枚カウンターが見え、奥にライトアップ された中庭が見えた。 何よりも目を引くのは、 カウンターの中に凛とした雰囲気の2人のバーテンドレスが居たことだ。 カウンターに座り、おしぼりを貰ってジントニックを頼み、ほっとした頃合・・・。 「あの、お客さまはここは初めて…ですよね?」 「うん、そうです」 「ここ、今日が最後なんです」 「・・・?」 「今日でここを閉めて、場所を移るんです」 「まぁ、なんと!」 以前にも、この店に立ち寄ろうとしてドアの前に立ったことがある。 でも、その時は店の中が満員で、”一見の客”が入れる雰囲気じゃなかった。 で、今日立ち寄ってみれば、店が閉まるという…、なんという間の悪さ。 「あの、これ新店の名刺です。 出来たてのほやほや」 「もう少し、金箔を明るくすれば良かったかなー・・・」 聞けば、横に座って飲んでいる人が仕上て持ってきたばかりだという。 新しい店は地下にあり、壁を煉瓦で貼り付けてあるという。 今、流行りのレンガシートではなしに、本物の煉瓦を湿式で貼っているという。 「ぜひ、いらしてくださいね」 という柔らかい声に誘われてのこのこやって来たのだ。 飲み街の狭い通りの片隅に、胡蝶蘭の植木が置かれた小さな階段があった。 暖かい色合いのランプに誘われて降りていくと、やっぱり木製の重厚なドア。 ドアを開けると、照明を落した店内には、開店前の「同伴」を過ごしているらしき 年配の紳士とママさんのカップルが2組。 カウンターの中から振り向いた顔の目が大きくなってお辞儀を貰う。 「やぁ、お店を見に来ました」 「カウンターを片付けるから、少し待って下さいね」 立ったまま見渡すと、なるほど全体に煉瓦が貼られた落ち着いた店内。 カウンターの真中の席を開けて貰って腰掛ける。 開店記念のシャンパン・サービスを受ける。 「開店日のパーティは、昼間だし、行けませんでした」 「いいえ、私が言うのも何だけど、来なくて正解!すごい人だったもの」 「さてさて、自分で貼った記念の煉瓦はどれ?」 「開店前のバタバタで何も出来ていないんです 今日も、本店から給仕さんに来て貰っているくらいだし・・・」 で、その給仕氏登場。本店のマスターやん! 彼女から、ワタシが来店した経緯を聞いた給仕氏も目を丸くする。 「これは、何かの運命としか言い様がないですね。 どうぞ、これからもご贔屓にして下さい」 名刺交換したマスターとは、新しい店を開くに当ってのコンセプト、苦労話など 少しだけインテリア寄りの話題をひとしきり。 話題の引出しの多さは、仕事柄とはいえ大したもの。 夜が更けて、お客の数も増えて来たので、迷惑にならぬようにお愛想。 階段の降り口まで送ってくれた店主にもご挨拶。 気分良く、家にたどり着いてみたら気がついた。 デイパックに荷札が付いたまま! ふふ、まだ忙しくて大変ね。 また、返しに行かなくては・・・。 >>NOV/07/'04/(SUN); Written by "Kylin"
by kylyn_3
| 2004-11-07 19:38
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